大人カラーのプリンセス・ドレス
色彩感覚を共感できる方の元へ
オーダーを承り、少し前に納品した作品を紹介していきます。
お客様とはたまたまSNSのご縁で繋がっていた方でした。
以前から、華鈴の【ドレストルソー・アレンジ】が気になっていらしたそう。
「いつか頼みたいと思っていたものの、色が決まらず躊躇していた」とお問合せから始まりました。
どのような雰囲気をご希望なのか、お伺いしつつ、こちらからもいくつかの提案もさせていただきました。
ヒヤリングをしているうちに「好き!」「素敵!」と感じる色に共通点をお互いに共有するような感覚を味わいました。
そこで決めた色は、一般的にあまり受け入れてもらえることが少ない色です。
少し大人っぽい、ドレス丈は長めの「プリンセスライン」でお作りすることに。
前置きが長くなりましたが、完成した作品をご覧ください。
淡いピンクとベージュの中間色と表現すればいいのでしょうか。
今回、このデザインでは初めて使用するバラでした。
もちろん全てプリザーブドフラワーです。
プリザーブドフラワーにはたくさんのカラー展開・バラの品種・メーカーさんの存在があります。
そして花びらの数は天然のものですから、当然差があります。
私の当初の読みより、かなりオーバーして花材を投入しました。
それも美しいフォルムに仕上げるための判断です。
少しアップでご覧ください。
大人っぽい雰囲気をご希望でしたので、副素材であるリボンやチョーカーの配色も考えました。
少し赤味のあるブラウンをアクセントにすることに。
色がステキ!とだいぶ前に衝動買いしたチェコビーズも、このアレンジにはピッタリ。
あの時の直感がこの日に繋がっていたとは、不思議なことです。
ひと針、ひと針縫いあげるように
もちろん、お裁縫したわけではありませんが、作り手の印象としてはそのような表現をしたくなるほど、手間が掛るのがドレストルソー・アレンジ。
せっかく美しいバラの花を全部壊してしまうのですから、勇気も要りますし緊張もします。
これは正絹の一点物の反物を裁断して手縫いするのと感覚が近いのかもしれません。
花びらの一枚、一枚の大きさ、カーブの形状を観察し、波打つような軽やかさを繊細な素材によるその動きを考えながら作り上げていくのです。
後ろ姿の細いウェストからヒップ部分はポンッと膨らんだ方が女性らしいラインになります。
ボリュームの出し方も前から見た時と後ろ姿では変えています。
どうしても外せなかった、上品なベージュのリボンとブラウンのリボンのダブル使いにしたのです。
一番好きなアングルです。
胸元は緩やかなハートカットに仕立ててあります。
お客様にはいくつかのデザインの中から、ヘッド部分にあしらう飾りをお選びいただいています。
いよいよ撮影です。
時間をかけて制作して、撮影のセットを準備して、撮影したらいよいよお客様の元へと送り出す梱包です。
クリアケースに納めたら、もう二度と触れることができません。
お客様の元で長くお楽しみいただけますように。
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